2024.11.16.Sat
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フリーランス保護法と下請法
フリーランス保護法と下請法の関係について見てみると、どちらも取引の適正という目的で共通していますが、規制や保護の対象が異なりますし、対象となる取引についても、フリーランス保護法は役務提供委託について自家利用役務が適用されるなど、保護対象の取引の範囲も広範という特徴があります。
フリーランス保護法3条では、取引条件を明示する義務が定められており、下請法3条でも同様の規制があります。
下請法3条では、書面により取引条件を明示する必要があるため、この書面を3条書面と呼んでいますが、下請法の場合、書面を電磁的方法で交付する場合、下請事業者の事前承諾が必要であるのに対し、フリーランス保護法では事前の承諾は不要です(ただし、書面交付を求められたら応じる義務があります。)。
支払期日については、60日以内という期間の設定については共通点が見られますが、フリーランス保護法では、再委託の場合の例外規定として、元委託の支払期日から30日以内という制限がなされています。
また、下請法では遅延利息として年14.6%の規定があるのに対し、フリーランス保護法ではそのような規定はありません。
禁止事項も共通点は多いですが、フリーランス保護法5条の禁止事項は、1か月以上の業務委託に適用されるという違いがあります。また、フリーランス保護法では有償支給原材料等の対価の早期決済および割引困難手形の禁止の規定はありません。
なお、下請法とフリーランス保護法は別個の法律ですので、それぞれの要件に該当すると両方が適用される点は注意が必要です。
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