今回は、如水法律事務所のパラリーガル犬、バロンくんのライセンス契約に関する小話を紹介します🐶
バロンくんの小話①
民法改正の中間試案では、ライセンス契約に賃貸借契約の規定を準用するという案が出ていたよ。
結局、このような案の採用は見送られたけど、賃貸借契約とライセンス契約は似ている部分も多いんだよ。
もちろん賃貸借契約とライセンス契約には違いがあって、最も大きな違いは、目的物の占有移転を伴う賃貸借契約は本質的に独占的な契約関係だけど、ライセンス契約は原則として非独占的な契約関係だから、同じ権利に対して複数のライセンス契約が成立しうることだよ。
自分のおうちに知らない人が住むことは考えられないけど、知らない人が自分と同じように権利の利用を許諾されることは考えられるよね。
バロンくんの小話②
ライセンスフィーを売上高比例方式で定めた場合、ライセンス商品の売上高はライセンシーしか知らないから、売上額をごまかしちゃうんじゃないかなぁって思った人はいるかな?
💡 そう思ったあなたはとっても鋭いね!
ライセンサーは、ライセンシーによる売上額のごまかしを防ぐために、ライセンシーに売上高の根拠資料の作成や保管、提出を要求したり、ライセンサーが指名した監査チームを受け入れさせたりすることが考えられるよ。
あと、売上高の基準を実売上基準とするか、製造数を基準としてみなし売上高にするかといった問題もあるけど、製造数基準は実売上基準よりも売上高の把握が容易だよ。
バロンくんの小話③
ライセンス契約は民法の賃貸借契約に似ているんだけど、サブライセンス契約は転貸借に似ているよ。
サブライセンスとは、権利の利用許諾を受けたライセンシーが別の人(サブライセンシー)にその権利を許諾すること(再利用許諾)だよ。
ライセンシーはサブライセンス権を当然には有しないので、サブライセンス権の許諾が必要な場合には、ライセンサーから明示的にサブライセンス権を得ておいてね。
ここで、ライセンシーが、許諾を受けた製品の製造を第三者に委託する場合、これがサブライセンスに該当するかという問題があるよ。
💡 これについて判断をした裁判例があって、受託者がライセンシーの「手足」、「道具」として動いているにすぎない場合、サブライセンスではなく、ライセンスされた権利の実施を受託者が代行しているに過ぎないと考えられているよ(参照:最判平成9年10月28日集民185号421頁、仙台高秋田支判昭和48.12.19判時753号28頁)。
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