2023.9.30.Sat
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Legal Forceの活用
私たちの事務所では、3年以上前からリーガルフォースというAIによる契約書審査プラットフォームを活用しています。このコラムを書いている2023年10月現在でリーガルフォースを導入している企業・法律事務所の数は3000社を超えたそうで、このようなリーガルテックが浸透してきているのを実感しています。
リーガルフォースのインタビューも掲載されました。
https://legalforce-cloud.com/usecase/81
では、なぜこのようなリーガルテックを活用するのでしょうか。
私たちの事務所がリーガルフォースを使う理由は3つあります。
契約書チェックの早期化
1つ目は契約書のチェックのスピードが格段に上がることです。
例えば、守秘義務に関する条項1つとってもチェックするポイントは複数あります。
(10月のコラムにNDAのチェックポイントについて記載するので是非ご覧ください。)
このようなポイントを一つ一つチェックしていくと、契約書をチェックする時間が非常に長くなります。
これをAIでチェックすることにより、定型的な条項をチェックする時間が格段に削減できます。そのようにすることで、人の目でチェックすべきポイントをより実質的な内容のところに集中させることができ、効率のいい契約書のチェックが可能になります。
その結果、私たちの事務所では、顧問先から依頼を受けた9割以上の契約書は、当日か翌営業日にはチェックしてお返しすることができています。
チェック精度の向上
2つ目は、チェックの漏れをなくせると言うことです。
人間のチェックに頼ってしまうと、どうしてもチェックの漏れが出ることがあります。
例えば、すぐに出かけないといけない場合や他の仕事に手をとられているような場合などに、ざっとしたチェックで終わらせてしまうと言うこともあり得ます。
また、人間なので、体調の良し悪しによって仕事の成果が変わってしまうと言うこともあり得ます。
それに対して、AIは典型的なチェック事項について、どのような場合でも(通信環境が整ってないと言うハード面の問題は置いておいて)網羅的なチェックをしてくれます。
AIは、人間のミスを保管する役割を果たしてくれます。
ひな型の活用
3つ目は、豊富な契約書の雛形や条文の雛形が多数用意されていることにあります。
契約書を修正する時、こちらが思い描いている内容に修正していく必要がありますが、その状況を文章で表現するためには、どのような表現をするのが良いか、他の契約書の条項などから参考になるものを探してくる必要がありますが、リーガルフォースには、契約書類の雛形や豊富な条項案が1000以上も用意されており、これを活用することによって、契約書の修正も容易にできるようになります。
もちろん、クライアントから契約書のひな型が欲しいという要望がある際にも、豊富なひな型の中から、柔軟に対応することが可能となります。
リーガルフォースの活用
このような理由から、私たちの事務所はリーガルフォースを導入しております。
他にも、AIが契約書をチェックしてくれるシステムはありますが、その中には、契約書1通あたりチェックがいくらと言う形式の費用体系のものもあるのに対し、リーガルフォースは月にどれだけ契約書をチェックしても、月額料金は変わらないと言うメリットがあります。
もし1通あたりいくらと言う料金体系であれば、簡単な契約書と思ってチェックをしないこともあり得るかもしれません。
しかし、上に書いたように人間の目によるミスは、簡単な契約書においても起きることがありますし、契約書のチェックの依頼を頼む顧客の立場からすると、簡単な契約書だから重要性が低いと言うことにもなりません。顧客の立場に立ってしっかりと契約書をチェックすることを徹底するためには、チェックするかどうか自体を迷うような料金体系ではないということも、重要なポイントだと思っています。
まだまだ、九州においてはこのようなAIによる契約書のチェックを導入している事務所は少数ですが、東京や大阪を中心にリーガルフォースを始めとした契約書のチェックシステムを導入している企業や事務所は増えてきており、将来的には契約書チェックの大前提を支えるツールとして普及していくのではないかと考えています。
一方で、まだまだAIではなく、弁護士によって検討しなければいけない点も残っています。たとえば、AIが指摘した事項であっても、相手方の意向によってこちらの望むような契約書の修正ができない場合があります。そのような場合に、相手の意向に沿った契約を締結していいのかどうか、そのリスクは現実的にはどれくらいのものなのか、こうした判断はまだまだ弁護士に残された領域だと思います。
私たちの事務所では早くからリーガルテックを導入することによって、こうした弁護士が行うべき領域の把握に努め、AI+弁護士が契約書業務に悩まれる企業の皆様の手助けになれるよう日々努めています。
福岡で顧問弁護士を探している、企業法務について相談できる弁護士を探しているという方はこちらもご覧いただけますと幸いです。